優秀な看護師に必要な能力は2つです。1つは「業務遂行スキル」、そしてもう1つは「対人関係スキル」です。この2つの能力を両方身につけた人こそが優秀な看護師と言えます。
1つめの「業務遂行スキル」とは、与えられた業務をこなす能力です。専門分野の知識、技術を身につけることで、業務遂行能力を上げることができます。この能力があると、ミスが少なくなり、速く正確に業務を行えます。2つめの「対人関係スキル」には、上司、同僚、後輩など仲間のスタッフに加え、患者さん、ご家族、そして他業種、関わるすべての人と良好な関係を築く能力が必要です。多くの人と関わる看護師にとって、問題なく周囲とコミュニケーションを取り、良好な関係を築けることは必須。対人関係能力は、単にコミュニケーションスキルが高いだけでは成立しません。聞く、話すという基礎的なコミュニケーションスキルに加えて、他部門や上司に対する交渉能力、人前でのプレゼン能力、人を動かすためのリーダーシップ、周囲を巻き込む働きかけなども対人関係能力に含まれます。
たとえば、リーダーとして全体を把握する能力を例にあげてみましょう。全体を把握するのは、あくまでもリーダーとして与えられた役割を果たす業務遂行スキルであって、そこに対人関係スキルをプラスして、相手を嫌な気持ちにさせないように指示を出す、メンバーが自ら動くよう働きかけるという状態が備わってこそ、はじめて優秀な看護師、優秀なリーダーとなります。このように2つのスキルどちらか一方だけでは、優秀な看護師にはなれません。両方のスキルを身につけることで、本当に優秀な看護師になれます。